“NTTドコモでは2021年12月13日から法人顧客を対象としたSA方式の商用サービスを開始しました。ここでは真の5Gと言われるSA方式についてまとめてみましょう。
【SA方式とは?】
SA方式とは「Stand Alone」方式のことで、コア設備を4G設備で流用していたこれまでのNSA方式とは異なり、すべて5G専用の設備を使用します。従来の超高速・大容量だけではなく、超低遅延、多数同時接続と言った機能も実現できるようになります。1つのネットワークを用途に応じて仮想的に分割するネットワークスライシングなどもSA方式を導入することで可能となるのです。つまりSA方式は、社会インフラとして5Gを活用していくためには欠かせないステップと言えます。
SA方式のシステム構成では、コアネットワークを含めて5Gの新しい技術に基づいたものです。SA方式の5Gは4GLTEのコアネットワークに頼らずに、コントロールプレーンとユーザープレーンの両方に5Gを利用します。
【NSA方式とは?】
NSA方式とは非スタンドアローン型のことであり、4GLTEのコアネットワークと5Gの基地局とを組み合わせた構成です。この構成やネットワーク内のインターフェースが4GLTEで使用されているものをそのまま流用できるので、通信事業者や通信機器ベンダーにとって導入障壁が低いというのが特徴です。つまりNSA方式はそれだけ早く5Gサービスを導入・展開できるということになります。NSA方式では端末と基地局が通信する際にはコントロールプレーンに関してはLTE側の制御機能に依存。5G側はデータ信号のみの搬送を行っています。
【SA方式は速度が劣化するって本当?】
進化した5GであるSA方式には不都合な真実があります。それが「通信速度が劣化してしまう」ことです。SA方式では当初、現行のNSA方式と比べて通信速度が劣化してしまうのです。SA方式のフレキシブルな機能のカスタマイズに魅力を感じる法人顧客であれば、当初通信速度が劣化してしまうことはそれほどデメリットには感じられないかもしれませんが、一般顧客にとっては通信速度が非常に重要です。そのためSA方式を導入することがデメリットと感じてしまう可能性もあるのです。そのため通信事業者間では、SA方式の導入に伴うリスクが取り沙汰されています。
実際NTTドコモは法人顧客向けに5GSA方式の商用サービスを開始しましたが、下りの最大速度は1.7Gビット/秒となっています。これはNSA方式の下り最大速度4.2GB/秒と、比べても速度が劣化しています。この値からも速度が半減以下となっていることが分かりますね。
またSA方式の5Gサービスを利用するにはSA方式対応の端末が必要です。現状では国内で発売されている5G端末は大半がNSA方式対応となっています。そこでNTTドコモではSA方式の商用サービスを開始するにあたって、新たなSA方式対応の5G端末を用意しています。
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